愛猫の死
猫が死んだ・・
家族や親友が亡くなった訳でも無いのに、胸の中に、喉の中に・・水がいっぱい溢れて溺れそう。
去年から入退院を繰り返してた20歳と2か月の愛猫が何かの事故で死んだ。
旅先で入院させていたが、長くなると分かって自宅近くの病院に転院させる途中だった。
少しでも振動を避けようと、でも急いで病院に到着しなくてはならないから、高速道路を考えながら走った。
走れる場所は120キロで走り,カーブが多い場所は左車線を80キロで・・
具合の様子を確かめる為に、SAに寄り、PАに寄り・・その途中のSАで亡くなった。
点滴のチューブをぶら下げ、小さくなった体を私の手のひらに預けて・・逝った。
怪我をして入院させた時すでに、叫び散らすほどパニックになった。
その時に泣くだけ泣いた・・後悔するだけした。
それでも消えない後悔が黒いヘドロのように胸に詰まっている。
でも今は、私の手の中で消えて逝く小さな命を両手で静かに受け止める。
涙は出ない・・これで楽になれるね、苦しまないで済むのよ・・だからねんねしなさい、ねんねして・・ゴメン、苦しめた、ゴメン・・
真夏のSAはアスファルトが鉄板のように焼けており、車のドアを開けると一気に熱風がなだれ込む。
アイドリングしたまま車の冷房をガンガンに冷やし、愛猫の体が傷まないようにタオルに包んだ冷却用のアイスノン?を差し込み、娘に電話してペット霊園を探してもらい、行き先を転院先の病院から、ペット霊園に変えた。
その日は34℃・・アスファルトの駐車場での体感温度はきっと40℃近いのだろう。
その熱気で愛猫の体が傷むことへの恐怖から哀しみは吹っ飛んだ。
たとえ痩せこけてボロボロの体でも、その体を抱きしめて愛して来たのだから、このままで天国に旅立たせたい。
これ以上、ボロ猫にしたくない・・親心。
すべての手続きを終え、慰霊祭の手続きもした。
子供達に知らせるとみんなの優しいこと・・
みんなで慰霊祭に来ると言う。
たかがボケた猫の為に・・・
私と20年連れ添った猫の為に・・
小さい頃は、知恵遅れちゃんとあだ名を付けられていたおバカな猫の為に・・・
「母ちゃん、1年も頑張ったんだから、少しゆっくりしろよ。寂しかったら俺んとこの猫を貸すよ・・バカ猫だから家中が滅茶苦茶になるけどな・・ワハハ」とおどけてみせる息子。